都の新型コロナ対策会議での総括意見をみる

☆都の新型コロナ対策会議での総括意見をみる☆
東京都新型コロナウイルス感染症対策本部会議（第32回）が7/2に開催されました。当日の資料を加工したものを掲載いたしました。
※一枚に情報を入れ込んだだけで、都からの情報自体に対しては加工をしておりません。

総括コメントして、「感染状況」については「感染が拡大しつつあると思われる」（4段階中2番目に高い判断）、「医療提供体制」については「体制強化の準備が必要であると思われる」（4段階中3番目に高い判断）となっています。
厚生労働省が示してきた人口10万人あたり2.5人/週（東京都で換算すると50人 ）を超える状況となっていることや新規陽性者における接触歴等不明者の増加数が多いことなどが懸念点として挙げられています。医療提供体制についても、今後にもし若年層から高齢層に感染が移行すると、重症患者が増え、医療体制を圧迫するため、その備えとしてレベル２（3000床）への準備を依頼しているとあります。

---下記、専門家によるモニタリングコメント・意見です---
【感染状況】
総括コメント：感染が拡大しつつあると思われる
〇厚生労働省の「新たな患者推計を踏まえた医療提供体制の再構築 」によると、感染拡大防止のための社会への協力要請（自粛要請等）が必要であるとされている、患者数が人口十万人あたり２．５人/週 （東京都で換算すると５０人 ）を超えている。
また、協力要請が遅 くなれば、その間に感染者が増加するため、経済等への影響も大きくなる（自粛等の期間の長期化 ）とともに、ピーク時に必要な病床数等の医療資源が増加するため、一般医療への負荷が高くなる。
ただし、この推計 （ 「新たな患者推計 を踏まえた医療提供体制の再構築 」）は、第一波の感染動向 を基に作成 したものである。今回の数値は現在の検査体制による積極的な PCR 検査など、さまざまな取組の影響が含まれているため、解釈には注意が必要である。
〇一方で、新規陽性者数の増加は、接触歴等不明の新規陽性者数も増加していることから、積極的な検査数の増加によるものだけではない。
〇第一波 （３月から緊急事態宣言解除まで）では、患者の急速な増加の前に＃７１１９の相談件数が増加した。
〇＃７１１９の相談件数が増加すると、流行の範囲が広がることが予想されるので、今後の推移に注意が必要である。
〇７月１日時点の新規陽性者における接触歴等不明者の増加数は２７.１人、増加比は１５８％であり、４週間継続すると接触歴等不明の新規陽性者が約６倍（１６０人/日 ）程度発生する。さらに
４週継続すると接触歴等不明の新規陽性者数は、現在の約４０倍になる。
【医療提供体制】
総括コメント：体制強化の準備が必要であると思われる
〇PCR 検査の陽性率は、検査体制の指標 としてモニタリングしている。陽性率の上昇は、検査数が減少 したためではなく、新宿の検査スポットなどにおける積極的疫学調査による新規陽性者数の増加の影響を受けていると思われる。
〇第一波 （３月から緊急事態宣言解除まで）では、患者の急速な増加に伴い、東京ルールの適用件数も増加したため、今後の推移に注意が必要である。
〇入院患者数は新規陽性患者数の増加に伴い、増加傾向にあるが、現状ではレベル１の病床確保体制 （１０００床 ）で対応 している。
また、第一波では、人員 を含めた病床の準備 に相当の時間を要した医療機関が多かった。その経験から、今後の患者数の増加に備え、早期に医療機関に対しレベル２（３０００床 ）への準備を依頼している。
〇重症患者は減少傾向にあるものの、今後もし、若年層から高齢層に感染が移行すると、重症患者が増えるので、医療体制を圧迫するため注意が必要である。
〇緊急事態宣言解除直後と比べ、入院調整にかかる件数 ・時間が増加している。

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