【考察】23区内の新型コロナ感染者数のその後について(3/31から4/10の累計値からの考察)
【考察】23区内の新型コロナ感染者数のその後について(3/31から4/10の累計値からの考察)
23区別の新型コロナウイルス感染者数が3/31時点の累計値が公表されてから、11日が経過しました。このタイミング(4/10時点累計値)で23区内の感染者数がどのように増加したのかを確認し、人口1万人あたりの感染者数はどのような推移となったかについて考察を行います。
図1:23区別の感染者数と人口1万人あたりの感染者数(4/10累計値)
区ごとの感染者数の推移を見ると、世田谷区、港区、新宿区、杉並区に多くの感染者がカウントされており、この傾向は発表当初から続いています。ただ、区によって人口によって大きな開きがあるので、改めて4/10時点の感染者数×人口1万人あたりの感染者数(感染比率)を2軸でプロットして確認してみます(図1)。
3月31日時点からの推移を見ると、港区が感染者数と感染比率ともに特に高い状況が継続しており、一番気を付けないとならない地域です。そして、世田谷区は比率こそ1.886と相対的には高い数値となっておりませんが人口も多く感染者数が最も多い状況が継続中です。さらに、傾向として変わりがなかったのが、渋谷区・台東区・目黒区・品川区・杉並区の感染者数と感染比率とも相対的に高い2番手グループ。高い傾向がそのまま維持されています。ターミナル駅や観光地を抱える地域は引き続きの警戒が必要です。
良くない傾向を特に示したのが、新宿区。感染者数と感染比率ともに大きく伸び、これから注意がとても必要なエリアだと認識できます。豊島区も当初においては感染者数・比率ともに相対的には高くありませんでしたが、今回の数値では全体的な傾向よりもかなり伸びが大きく、急速に注意が高まったエリアとなっています。一方で中央区は他区の増加率に比べれば低い水準にとどまった結果となりました。
さて、板橋区ですが、近隣の西北区部やいわゆる周辺区といわれる江戸川区などと同様に、感染者数・比率ともに相対的には低い傾向を示しています。これらのエリアはどうにか踏みとどまっているようにも見えます。引き続き、外出を自粛し感染防止に努めたいと考えます。
それぞれの区やエリアの傾向をお伝えしましたが、前提として留意しなければならないのは、すべての23区において感染者数は増加しているということ(図2)。
図2:23区別の感染者数の推移(4/10累計値まで)
前回から人口1万人あたりの感染者数を指標として活用をしておりますが、これはどの区において感染比率が高いかを相対的に確認するために使っています。言い換えれば感染者密度が高いと言えます。この感染者比率もすべての区で軒並み上がっております(図3)。板橋はまだ相対的に低い方だから、安心というわけではないので、数字の捉え方を誤解しないようにお願いします。
図3:23区別の人口1万人あたりの推移(4/10累計値まで)
参考に近隣区との比較での板橋区における1万人あたりの感染者人数の推移のグラフ(図4)も掲載しておきます。これを見れば、3/31時点より、約9倍も感染者比率が増加したということが事実として分かります。これらの客観的な数値を自らの行動に活かしてもらえれば幸いです。
図4:板橋区の人口1万人あたりの推移(4/10累計値まで)
参考図:23区別の感染者数と人口1万人あたりの感染者数(3/31計値)